メールの恋・・後編

翌日 いつものように朝早く店に行き、昨夜の事を思い出しておりました。

「な〜に!男と女だ! 明日は手をつないで来るさ!」

花屋のおじちゃんの暢気な言葉に、ま!女好きの博のことだしそんな事であろうと

今日のランチの用意に忙しくしておりました

どんどん

店の階段に大きな音がして、恐ろしい顔をしメアリーがて入った来ました。

「テレホン  ウェア テレホン インターナショナル テレホンウエァ・・・・」

店の空気がどよめきます。

「ど !どうしたの?」! 「博は どこ?」

「ヒロシ スクール ジス イズ ペーパー」

メアリーは真っ赤な爪に挟んだ、白い紙片を私に差し出した・
その紙片には私の店の地図が乱暴にかかれていて

「ママさん助けて!」博の声がするような紙片でした。

「ヘルプ ミイ・・ヘルプミ・・」

店中にメアリーが声が響きます。

取りあえず  先ずは食事だとおもい

トースト焼いて食べてもらいました。

「インターナショナル テレホン テレホン  ママ・・」

身振り手振りでカンザスのおかぁさんに電話したいということだと

察して駅まで連れて行きました。

その頃はまだ携帯も普及してないし・・・

言葉の通じないカンサス生まれの女の子と二人で博の帰りを待ちました。

ところがいくら待っても博は帰ってきません!!

博の友達でイラン人のアリに連絡を取り、博にメアリーを引き渡すべく

店で待ってました。

しかしいくら待っても帰ってこないし 連絡もありません!。

そのうち ユウが・・

ひとこと・・・

「博は逃げたな!」言い放った

「まさか〜 幾らなんでも・・・」

「いや!博は そういう奴だ!!」

まじめなユウは

日ごろからチャランポランな博が嫌いだったと言い出しました。

「そうお!」

私はそのいい加減さが結構気にいってたし、かわいいと思ったから

幾らなんでも、海を渡ってきた女の子を捨てるとほど

博は悪い奴だとはどうしても、思えないのです。

「何か事件よ!」

その内アリもやってきて!!

どうしても博に連絡が出来ないという!

夜もふけるし・・・

博は大学の研究で急に帰れなく無くなったと説明して

取り敢えずユウの家に、泊まらすことになりました。


愛しいメアリー

身体は大きくても二十歳代の女の子

言葉も知らない他国に・・・・・

恋の片道切符で飛び込んできたメアリー

どこに行ったのクロシ(博の本名)

安アパートのクロシの部屋の、お風呂のドァが狭くて

シャワーも使えなかったというメアリー

そんなこと どうでもいいよ!心だよ!

帰ってきてやってよ!クロシ!!!

祈りながら眠れない夜をすごした私に・・

クロシが死んだという知らせが翌朝、届きました

「クロシ・・が死んだって!」 

もう 博なんて偽名なんか使ってられないよ〜

優が青い顔をして飛び込んできた!

「クロシは何処にも居ない!友達が手分けして探しているけど・・見当たらないんだって!
メアリーの事をどうすることも出来なくて!自殺したんではないかと  みんなで 噂してるよ」

「あら 噂だったの?」

私は噂と聞いて胸をなでおろしました。

「あの おおちゃくなクロシが、自殺なんてするわけ無いでしょ!」

私は胸をなでおろしながら、きっぱりと言い切りました。

「でも〜 」

純情なゆうはふがいない顔をして、立ちすくんでます。

「おはよう!」

花屋のおじちゃんが店に入ってきました。

なかなかの遊び人のおじちゃんはクロシのことを聞くと

さすがに心配して!警察に捜索願いを出すと騒ぎ出しました

「しかし〜」

私はクロシがどこかに隠れているような気がしたなりません。

そんなこんなでメアリーが来てから一週間が過ぎた頃。

ユウの元にアリからクロシを見つけたという知らせが入りました。

。アリの話によると・・・・

クロシは学生寮の友達の部屋に隠れておりました。

アリはクロシを見つけてとき・・思わず一発食らわしたそぷです。

男としてそれでいいのか?

この国に来て自分たちの国の人間の評価が低いのがよくわかった。

俺は微力ながら・・自分の国の代表として立派な態度で生きてゆきたい!

それがこの国の優しくしてくれて人々への恩返しだと思っている

そういったときアリの頭に中には・・あの元気で優しい ユウの顔が浮かびました。

ユウもアリを心から愛していたが・・・いづれ国の代表として帰ってゆくアリを

友達なんだと!自分に言い聞かせていた。

アリの厚い言葉にさすがのクロシも部屋から出てきて・・メアリーに誤ることにした

クロシの部屋で山のように大きなメアリーの前で・・クロシは正直に現実に見た

メアリーをどうしても愛することは出来ないといった。

メアリーは静かに聴いていたが・・さすがにアメリカ人!愛することの出来ないという

クロシを理解しました。

その上 苦しんだクロシの手をとり・・いい思い出になりますといいました。

あまりのいじらしさにアリもユウも号泣したそうです。

「ただ 喜んで送り出してくれた マミーになんと言おう!!!!」

その時初めてメアリーの瞳に涙が浮かんだそうです。

みんなで協議した結果クロシが交通事故で死んだということにして・メアリーを

カンザスに帰らすことにしました。

しかし 現金の無いメアリーのカードもはみんなブラックでした、それで私の店でカンパを

してもらい!無事カンザスに返しました。

あれから やがて10年・・・

メアリーはどうしているでしょう

アリはイランに帰って 大学の先生になりました

帰るとき・・・アリはユウに言いました

「僕の国の女の人はかわいそうな伝統の中で生活しなければならないから

ユウをつれて帰れない!!!」

ユウはその言葉で充分でした。

花屋のおじちゃんは相変わらず陽気に

「な〜に  女なんか押し倒せばいいんだと!」

飲んでおだ巻いてます。

そして最後にクロシは今三重県で結婚して暮らしてます。

「ねぇ クロシ 三重県に遊びに行きたいけど・・いいところある?」

「あーー ママシャン  そりゃ僕のそばが一番だよ」

相変わらずのいい加減さ・・・そんなクロシが大好きです

                      終わり