メールで知り合った メァリーが 明日来る!
  はるばる アメリカはカンザス州から 恋の片道切符で!
  「ママ アメリカ人は 合ったとき抱き合うんだよね」
  博は 異常な昂奮で私に聞いた
  「そうネェ・・ 映画じゃそうみたいね」
  「困った!おれ うまく出来るかな〜 如何しよう!」
  「如何するって?」
  「まま 練習させてよ」
  「んま〜 いい気なものね」
  「だって 第一印象が肝心だから」
  「ところで 何処で知り合ったのよ?」
  「う〜ん 大きな声じゃ いえないけど 大学の研究室の
   インターネットで」
  「へぇ〜 そんな事あるの?」
  まだ これほどメールが普及してなかった頃のお話です。
  博は大学の研究室で 暇なとき 得意の英語を駆使して
  メールの交換をして遊んでいた!。
  たまたま アメリカのカンザス州のメァリーという子と知り合った。
  最初は 英語が上手に通じることが嬉しくて メールをしていたが
  段々と それが恋に発展していった
  写真の交換もした。
  「私は28歳 太っています。仕事は保母です」
  「僕は 太っている人が好きです」
  「嬉しいわ! まだ 一度も恋の経験は無いのです」
  「僕もそうです、何か運命を感じます」
  「本当に この広い世界で こうして逢うなんて 運命ですね」
  「逢いたいです」
  「私も会いたい!」

  実は 博は日本人ではないのです
  中近東の回教の国から日本に憧れて
  私費で 日本の一番北の大学に留学してきたのですが
  国を出るまで日本の人々が、これほど英語が出来ないとは知らなくて、
  日本語が出来ないまま来てしまいましたから、言葉の壁に躓いているのです。

  「こんにちは!」

  私の店に来たとき、話せたのはこれだけでした

  「ミテコモン」
  「ミテコモン」
  「・・・・・」
  「オチン」
  「オチン」

  「え・・・・????」
  
  私は、困りました。
 
  「ユァ ネーム?」
  「チロチ」
  「・・・・」
  あ〜 博ね?」
  「お〜 ノウ チロチ」
  「ま 何でもいいわ 博にしょう」
  「・・・・」
  というわけで、博になりました。

  それから・・
  私と博の珍道中が始まったのです
 
  今となれば 何と懐かしい思い出でしょう

  「ミテコモン」とは「水戸黄門」
  「オチン」は「おしん」の事だとわかったのは、随分経ってからの事でした。
  ヒロシの国では日本のテレビが人気で、いつも見ていたとの事、
  水戸黄門の印籠をだすところで、思わず手を叩きたくなるとは
  人情なんて!何処も大した変りは無いのですね。

  「これ サトウ シュガー」

  「これ ミズ ウオーター」

  「これ ゴハン ライス」
  
  「お〜 ライス ゴハン オーケー」

  こんな調子で私は当時市民学園で、英語を習っておりましたから、
  カタコトの英語の単語と身振りで 毎晩日本語の教師でした。
  大学でも日本語教えていたけれど、文語体で「そうでございます」
  「 だが、しかし、それは、」といった調子でいくら習っても
  テレビの話が何もわからないと嘆いていました。

  ある日 ヒロシは「あやしい人」とテレビで聞いて 
  「ママさん  アヤシイヒト  オシエテ クダサイ」
  「アヤシイヒト」??

  う〜ん!困った!

  言葉で説明しょうにも その言葉がまだ何も判らない!
  
  私の店は官庁街の裏手に位置しているので、夜の時間帯は暇と成ります。
  そんな暇な時間を、異国の青年と過ごすのが、いつか結構楽しいものに成っておりました。
 
  「アヤシイヒトね」
  客が居ないのをいいことに、私は頭に黒いストールを被り
 、ドァの向こうに行って、、覗いたり伺ったりして 、
  もと、演劇部員面目躍如と云うわけで、演技して教えるのです。

  「オー ワカリマシタ」

  おどけて私に寄り掛かりながら、手を叩いて喜びました。
  果たしてヒロシは、判ったのでしょうか? 今でも疑問です。
  そんな毎夜が結構楽しくてアレやこれやと大学で教えない
  言葉や日本の風習など教えて居りました。

  外国でひとり暮らす淋しい男の子に優しくいろんな事を教えることは、
  まるで親善大使のような気分になったり
  またある時は、素敵な男の子と過ごす二人の時間は
  年の差を忘れて、気持ちの熱くなるような毎日でした。

  そんなある日
  ヒロシの先輩のアリが血相変えてやって来ました。
  「ヒロシにあんな汚い言葉を教えてのは、ママさんですか?」
 
  アリはヒロシの先輩で一年先に留学してきた優秀な学生です。
  「私の国 嘘言うのがスティータスです」
  平気でそんな事いうヒロシに対して、アリは自国の欠点を決して言いませんでした。
  この結果かどうかわかりませんが、アリは自国の大学教師に成りました。
  
  「ママサン ボクノクニ、オクサン5ニンダイジョウブ!
  ニホンノオンナノヒトキレイ!カノジョホシイ!」
  ヒロシは自分の国では なかなの金持ちらしいが、何しろ日本は物価が高い! 
  どうしてもアルバイトしたいというので、知り合いの焼肉屋さんに頼んで
  アルバイトを紹介しました。
  すると今度は早速!カノジョがほしいという!
  まったく何処の国の男も、困ったもんだわ!

  焼肉やのマリチャンに恋をしたヒロシは、アルバイトに行く前に
  私の店により作戦会議です。
  「それでは ママさん 行って来ます」
  「頑張ってよ! うまくやるのよ!」
  「ダイジョウブ 僕には アッラーの 神様付いてるよ」
  「そうお! じゃー  行ってらっしゃい」
  こんな調子で 何度も女の子に挑戦するのですが、どうしても彼女できない!
  ヒロシは中肉中背インド系のホリの深い顔立ちの27歳、とてもいい男です。
  特にサングラスをかけてきめて来ると、映画スターかと思われるほど格好いいのですがーー
  「どうして、僕ダメ?・?」
  「う〜ん・・キット・・・その毛深さが 日本人にはね〜」
  「この毛 みんな好き!」
  「日本人にはね〜」
  こんな馬鹿げた会話を毎晩して、結構楽しいでいました。

  北国にも夏が来て、ヒロシの言葉も日常の会話に不自由しなくなった。
  そんなある日、ヒロシと同じく国からきた先輩のアリと
  私の店で一緒に働いているユウと4人で、夜祭を見に行来ました。
  
  一番街の歩行者天国に、白い椅子が並べられ、ワインと焼肉でワイワイ
  ガヤガヤ 沢山の人が集まっていた。店の前には音楽を奏でる用意も出来てる。

  「楽しそうね!」
  ユウが早速とことこといってチケットを買ってくる
  「2000円で飲み放題だって!」
  「安い!安い!」
  ユウとアリが早速 お皿に山盛りの焼き肉を持って来た。
  「ヒロシ・・ホラ もって来たよ」  
  私も 両手に山盛りの焼肉とワインを持つてきた
  「アツ  ヒロシ お酒ダメだったわね、神様に叱られるわね」
  「ママさん 意地悪!!僕 肉もお酒もダメ」
  「アラ〜  やっぱり ダメ〜」
  「残念ね!」
  「ママさん 僕 コーラ-にします」  
  「だって コーラ-」無いわよ」
  「アリマス  アリマス ココニ」
  「何処に!???」
  「ホラ コレ コーラー 」 クイッ
  「それ ビールよ」
  「イエ コレ コーラー」
  「・・・・」
  「僕には コーラーに見えます」
  「・・・・」
  「コーラー アッラー シカラナイ!」
  「・・・・」
  意味がやっとわかった!ユウが大笑い!
  真面目なアリが嫌な顔してる!


  アリはとても真面目で、自分の国の事をとても大事に思ってるから
  出来るだけきちんとやろうと思ってるし自分の国のマイナーな部分は話したくない! 
  なのにヒロシは アッケラカンと自然体! 時々アリはそんなヒロシに気をもんでる。
  ユウは 若いだけそんなアリと気が合う。
  私はヒロシの自然体がスキだった。
  そんな、全然違う違うタイプの二人だが、遠い異国で助けあってる

  そして、二人の日本の共通の印象は次のようでした。
  まず 日本に来て一番感じることは「年」だといいます
  初めての人に合うと、
  「国は?」
  「年は?」
  「独身?」
  コレが 必ず質問の中に入る
  アリは、日本に来てから初めて自分の年を意識したという
  ヒロシは素直に
  「ニホンノヒト ナゼ トシキク ボクノクニ トシカンケイナイ!
  ボクノトモデチノナカニ 60サイノオンナのヒトイル!
  イツモ エイガミニイクヨ ナゼ? ニホンノヒト ワカイヒトスキ
  トシ カンケイナイヨ」
  私が ヒロシを気に入った 一番の理由がこのあたりにあったかも知れない!
  それでも 二人は兎に角日本が好き!!



  
  そんなヒロシが 時々店に来ない日が有るようになった
  「如何したのかしら?」
  ユウに聞くと
  「う〜ん」
  「彼女出来のかしら?
  「・・・・」
  どうも ユウは何か私に隠してるらしい!
  アリから何か聞いてるのね。
  アリもユウも私のおしゃべり知ってるから云わないんだわ!ムツ  
  きっと ヒロシ彼女出来たんだわ!ムツ
  あんなに大事に親切にしたの〜、、水臭いムッ

 私は密かにヒロシに恋をしていたのかもしれない。

 そんなある夜
 「ママ コンバンハ」 
 「あら ヒロシしばらくね、元気だったの」
 「ママニ オナガイガアリマス。」
 「なーに? 改まって・」
 「ボク ケッコンシマス」
 「・・・・」
 「アパート カリタイ!」
 「・・・・・」  ポカ〜ン
 「ヤスイトコ  イイ」
 「ど 如何したの?」

  それから ヒロシの話を理解するまでには 随分と
  時間が掛かりました。

  ヒロシの話
  人一倍淋しがり屋のヒロシは、大学の研究室のパソコンで
  Eme-ruで 独り遊びを始めた。
  メル友欄であったカンザス州のメアリーと毎晩メールの
  交換していた。
  そして 段々と恋に落ちた
  アイ ラブ ユー
  アイ ラブ ユー
  そんな言葉が 自然に飛び交うようになったと云う
  「わたし 日本に行きます」
  「結婚しょう」
  そんな言葉が お互いから出るようになった、という!
  そして ちかじか来るという!!
  「待ってよ!ヒロシ」
  「・・・・」
  「アリとも相談したらいいよ!」
  「でも もうきます」
  「・・・」

  其れから アリととユーと私とでヒロシにその危険性を話しても
  ヒロシにメァリーとの夢のような生活を断念させる事は出来なかった。
  「とても 太ってるというけど いいの?」
  「ボク ダイジョウブ シャシンミタ カワイイヨ」
  「シャシンはね どうにでもなるのよ」
  ユウが云うと
  「ボク ボインスキ !」
  「でも 生活どうするの?」
  私が云うと
  「カンジョ ハタラキシマス」
  「だけど 言葉がわからないのに 働けないよ」
  ナシが云うと
  「タブン カノジョ オカネアル」
  なんとしても駄目!!
  もう みんな諦めて 協力しょうという事になった
  


  そして とうとう メアリーが来る日が来た!

  明日来る!!

  何とか アパートも借りたし、
  ヒロシも バッチシ決め込んだら、ナカナカのいい男です。
  ユウの車で空港まで、出迎えにいきます。

  「ママ イッテキマス」
  「気をつけて! メァリ-疲れてるわ すぐ 部屋に連れて行ってやって!」
  「オーケー アシタミセニキマス」
  「イッテラッシャイ!」

  ヒロシは緊張の極致です。
  「ユウ!ハジメニ ヤッパリホウヨウスルンダネ」
  「好きにしたら、ママを相手に 練習してきたんでしょ!」
  「ウマクデキルカナー」
  「知らんわ!」
  「ユウ オコッテル!」
  「怒ってなんかいない!」
  「ナンカ  ツメタイ!」
  「いい加減落ち着いてよ。運転しづらいからー」
  二人とも緊張の余り 口げんかをしながら 車は空港にと・・・
  「まだ 時間有るわ ラーメン食べようよ。ここの オーツクラーメン
   美味しいのよ!」

  実は 私の店に地元新聞の記者がよくきます
  「ねェ今ごろ 空港に飛行機ついた頃ね」
  「やぁ〜 取材に行きたかったな〜」
  「そうね!アメリカの女の子と国交の無い国の男の子が この
  日本の北の外れで結ばれる!それも いま流行のインターネットで・・」
  「凄い話だけどな〜 残念だ!」
  「うん ユウが慎重を期したのよ」
  「残念だな〜」  
  本当に残念そうだ!
  「明日は此処へ来るわ 偶然そうに取材するといいよ」


  飛行場では 飛行機の到着のアナウンスがあった。
  「とうとうね」
  「・・・・・」
  到着ロビーから ぱらぱらと乗客が降りたきた。
  ヒロシは緊張と期待の余り 顔が紅潮してる

  「お〜 ヒロシ〜」
  ひときわ 大きな声がした・
  お〜   ついに メアリーが姿をあらわした!

  お〜 〜 〜き〜〜い〜っ

  メアリーは 真っすぐヒロシに突進すると 「ガバッ」
  と ヒロシに抱きついた!
  ヒロシ 固まった ポカ〜ン ユウは ボオ〜
  一瞬 空港の空気が薄くなったような 気がした!!

  ユウはぼんやりと ヒロシの背中を抱きしめている
  メアリーの鷹の爪のように大きい、赤い爪を見たいた
  ヒロシの背中はすっぽりと メアリーの腕の中
  その上に 感極まったメアリーの顔がある
  巨大な赤い顔 その上に薄い赤毛がポヨポヨとなびいてる
  ユウはなぜか
  フッと ヒロシの背をかきむしる様に動く赤い爪を 
  映像を 見るように眺めてた!

  「ヒロシ 紹介して!」
  「ア ユウ!!」
  「オ ナイスミュチユウ」
  「始めまして ユウです」
  「ヒロシ ナイスガイ」
  メアリーの瞳は ユウなど見てない!
  熱い瞳に有るのはヒロシだけ
  「さ、 車に荷物を載せて!」
  荷物が後から 後から運ばれる
  70キロ メアリーがはるばるアメリカ、カンザス州から
  運んできた荷物です
  恋の片道切符 仕事も親も捨て ただ恋しいヒロシの元に!!

  
  一路愛の巣?へ 
  ユウの運転する車に 70キロの荷物と 135キロ 185センチの
  メアリーと 70キロ 173センチのヒロシを載せて しゅっぱ〜つ!!

  後部座席でメアリ-の 甲高いカンザスなまりの 英語が矢のように
  ユウの頭の上を通る。多分 どんなに逢いたかったか!どんなに嬉しいかと
  表現してる様子だ。
  ヒロシは、ユウの後ろから耳元に ぶつぶつ云ってる
  「ユウハ キレイ! ユウはカワイイ! オレ バカダ!」
  「うるさい!黙ってろ! 自分のしたことに責任取れ!」
  ユウはこの事態に もう パニクッテ ただ わめいてる。
  「アイラブユー」
  「オレ バカダ」
  「アイラブユー」
  「アーシニタイ!」
  「日本語でしゃべるな!」
  「アイラブユー」
  車の中は シッチヤカ メッチャカ 

  こんな事態になってるとは 知らない私は あ〜コレで
  ヒロシの他国での寂しさが解消するのだと 安心したような
  淋しいような複雑な気持ちで ユウの報告を待っていた。

  車は田舎道を 夫々の思いを載せて ひた走る!
  「ハリー マイホーム!」
  「ヒロシのアパートに行けばいいのね」
  「ママガ マッテル!」
  「シャワー」
  「シャワー 云ってるよ」
  「シャワーノ ドア チイサイ ハイレナイ!」
  「シャワー」
  「でも 疲れてるよ かわいそうだよ!」
  「イヤ  ママにアイタイ」
  「シャワー  シャワー」
  「ママワ メガミダ ママハ ステキダ」
  「いい加減に すれ〜」
  

  その頃 店のカウンターに ヒロシの結婚式の話が盛り上がってる・
  ヒロシを可愛がってる 花屋の社長さんが
  「ヤッパリ、式はともかくみんなで 祝ってやろう!」
  「そうね!ここでもいいわね」
  「ま オレに任しとき!ばらの花でも用意するさ」
  「私はワイン 差し入れするわ」
  呑気に 祝いの話をしていると バタバタと階段を駆け上がる音
  「あ ユウの足音!」
  
  「お疲れ〜」
  「アラ ヒロシも」
  あ〜 その後ろから ドア いっ〜ぱ〜い メアリーの登場!!
  びっくりした!
  腰が抜けるかと思った!
  ヒロシは 私を見ると
  「ママ ボクヲナグッテクダサイ!」
  「バカダト ナギッテクダサイ」
  開口一番 私に云った!眼にうっすらと 涙さえ浮かべてる
  私は 馬鹿なヒロシに腹が立ったが 勇んで出かけたときから
  一回りも小さくなってる ヒロシがかわいそうになった。
  しかし ヒロシを信じ 遠い此処まで 全てを捨ててきた
  メアリーのことを思うと、女同士 いじらしくて そっと
  抱きしめてやりたくなった。事態を何もしらず ただ ヒロシを
  うっとりと眺め続けるメアリー!!あ〜 どうしょう!
  どうしたらいい??
  

  御祝いムードではしゃいでいた、花屋のおじちゃんの目が点になった。
  奥の席で ヒロシとメアリーとが並んで座るが 会話が無い!

  私は 追い立てるように ヒロシをアパートに返した。
  牛に惹かれるように ションボリと帰った行くヒロシ
  「ま 男と女さ 心配ないって!」
  花屋のおじちゃんの 大きな声に ほっとする私
  「明日は 手を繋いでくるって!」
  祈るような気持ちで私は 見送った。

  やがて 夜になると ヒロシの遊び友達が やっかみ半分集まってきた
  私の報告を聴くと 流石に心配になり様子をみてくると 出ていった。

  「あ〜 びっくり〜 ヒロシの部屋に行くと ヒロシガ出てきてさぁ〜
  うろうろしてると 何か? 部屋の中から ぐぉ〜 グォ〜 大きな声
  声がするんだ。 あれ何? 聞くとメアリーのいびき!だって! 
  そっと 覗くと・・・
  ベットの上に 小山のような塊があって 上下に動いてるんだ!
  びっくりした〜」

  これが、友達の報告!

  ね みなさん ヒロシを攻めないで! 本当に真実 メアリーに
  恋をしてたのよ。
  私だって 人は外見ではないよ 心だよ!とイツモ云ってる
  だけど!???

   ヒロシは疲れた!このままメアリーが起きてくれないことを
   祈りながら・・・部屋の隅にそっと 横になった!
   
   重い!苦しい!
   ヒロシは押しつぶされる夢をみていた!
   思わず力いっぱい重い物を払いのけた!
   あ〜 それはメアリーだった!
   「ゴメン!」
   ヒロシは 誤ったけれども、どうしても ・・することは出来無かった!
   
   メアリーは傷付きながらも ヒロシが疲れていることを・・・ 
   理解した!
   「グーナイ」
   優しく頬にキスをして また 朝までぐっすりと寝込んだ!

   次の朝 其処にはヒロシの姿は無く・・・
   白い紙に 私の店の地図だけが 残されていた!

  それから・・後編に続きます。

このお話は名前以外はすべて真実です