麦畑(マスタ−の店で) 投稿者:LUNA  投稿日:10月20日(土)17時51分58秒
文化祭の片付けは、明日10時からと言う事になっている。
臨時休業の店には、友美、マスタ−、亜矢子、アッケ、
アッケのジジィ、春樹、ともえ、真美が揃った。
8人でテ−ブルを囲んで、
「先ずは、文化祭の成功を祝して、かんぱ〜い!!!」
「お疲れ様、ともえ。大活躍だったわね。」
やさしく、ともえをねぎらう真美先輩。
マスタ−が話し始めた。
「亜希子が亡くなったのは、友美が5歳になったばかりの頃だった。
体力の弱っていた亜希子は、感染症を起して、友美に移しては
いけないと、友美を抱く事も出来なかった。病室の窓から、
友美の遊ぶ姿を見守る事しか、出来なかった。
かわいそうな母親だった。」
 アッケと、ともえの手を握ってうつむいたまま、
涙をこらえて父の話を聞く、友美。涙ぐむアッケ。
「友美は、亜矢子さんになついていた。何処に行く時も
後ろをついてまわった。母親が亡くなっても、亜矢子さんが
自分の母親だと思っていたらしい。
友美の母親になって欲しい。私はそう、思った。
だが、亜希子の身代わりを亜矢子さんに押し付けてるんじゃ
無いか?そんな気がして、亜矢子さんにプロポ−ズするまでに
3年かかった。プロポ−ズした1週間後、亜矢子さんは
だまって居なくなった。」
「そう、真美の所のアパ−ト、急に出ていったのよね。
うちの両親、とても残念がってた。良い店子さんだったのにって・・・
私も、小学生だったから、良く遊んでもらった
「そうね〜、真美ちゃんも大きくなって・・・時の経つのは早いわ。
義兄さんから、プロポ−ズされた時、本当は嬉しかった。
都会で知り合ってから、ずっと好きだった。
姉と私、両親を早く亡くして、二人支えあって生きてきたの。
義兄さんは、姉を選んだ。姉も私の気持ちに気づいていたから
随分、悩んだのよ。だから、私が背中を押したの。そして、
義兄さんと姉は結婚して、この町へ戻った。私がこの町に来たのは、
姉が友美ちゃんを産んだ後、入院がちになったから。
義兄さんが、一緒に住めばと言ってくださったのに、アパ−トで
一人暮しをしていたのも、姉の気持ちが痛い程わかっていたから。
姉が亡くなる前に私に言ったの。義兄さんと一緒になって、友美
を、見てやって欲しい。でも、私には出来なかった。
友美ちゃんの事が気になって、ズルズル3年も過ごした。
都会に戻って、オ−ストラリア人のイアンと知り合い、結婚して
オ−ストラリアで、5年くらしたの。そのイアンも1年前、事故で
亡くなって、先週、日本へ戻って来たの。
やっぱり、この町が忘れられ無くて・・・・」
「そうじゃったのかい。事故で亡くなられたのか・・・
事故と言えば、明美の両親も産まれたばかりの弟も
事故で亡くなったんだ・・・・」
ジジィが、寂しげに話し始めた。
「明美の母親は、看護大学を出て、都会で看護婦をしとった。
同じ病院で働いていた、薬剤師の男と結婚して、東北に行く
と言う。婆さんもワシも大事な一人娘。遠くに出したくなかった。
だから、結婚に反対した。しかし、勘当する形で二人は
、東北の故郷へ帰って行った。
早よう、許しとくんじゃった。『二人の孫が出来たんだから、
一度、顔をみてやって・・・』娘から連絡があったのは、
5年経った頃じゃった。婆さんと二人、娘夫婦と孫が来る日を
指折り数えて待ったもんじゃ。車で、今日着くと言う日の朝、
警察病院から電話がかかってきた。緊急連絡先をワシ等の家
にしとったんだ。いねむりトラックが中央線をはみだして、
正面衝突だったそうな。婿と、娘と、抱かれていた利雄は
即死状態だったらしい。後部座席で毛布にくるまって寝ていた
明美だけが、奇跡的に助かったんじゃ。
辛かったが、明美の笑顔があったから、婆さんもワシも
慰められた。春樹君にも世話になったなぁ・・・
もう、婆さんもおらんようになってしまったが、明美が幸せに
なるのを見届けるまでは、わしゃ〜死ねるもんか!!!」
「じぃちゃん・・・・」
「オッ、話が湿っぽくなってしまったな。スマン、スマン。
ところで、話は戻るが、亜矢子さん、これからどうするんじゃ?」
「よかったら、8年前のプロポ−ズの返事を
聞かせてくれないか?君が急に姿を消してから、俺は当分
ふ抜けたようになったよ。まだ、俺を愛してくれてるんなら・・・」
「義兄さん・・・本当に良いの?この私で・・・」
「良いよな?友美!!」
友美は、黙って大きくうなずいた。
「こりゃ、友美ちゃん、高砂の練習をせにゃならんな!!」
「また、剣舞するの〜?」
「アッケの馬鹿タレ。剣は切れるといって、結婚式には
使わんのじゃ!!。」
「あ〜良かった。また、ジジィにしごかれるんかと思った!!
友美、素敵な「おかあさん」でよかったね!」
「有難う!アッケ」

静かに秋の夜は更けて行く。
それぞれの思いを優しく包んで・・・・(完)


麦畑(文化祭・午後その2) 投稿者:LUNA  投稿日:10月20日(土)15時37分40秒
「お前等も楽器持って来てんだろ?!折角だから
演奏聴かせてくれよ。」
「マジで演奏させてくれるんすか?」
「モチロンさ!!ナッ、皆良いだろう?」
会場から湧き上がる拍手。照れる青木高校の面々。
「それでは、演奏の準備が出来るまで、皆さん起立!!」
志村が号令をかける。
「皆、座ってばかりで、運動不足だと思うので、
ここで、一発、『慎吾ママのオハ・ロック』をやりま〜す。
3年A組の生徒は、ステ−ジへ!!。
春の体育祭の時やったから、皆振り付け覚えてるよな?
会場の皆さんも真似してやってみてくださ〜いっ!!!
放送部、音楽頼む!!!では、いくぜ〜!!!」
すっかり、志村のペ−ス。
「オッハ〜!!」「オッハ〜!!」
「ハイ、アッちゃん良く出来た。ハイ、まみちゃん良く出来た。
ハイ、夢ちゃん良く出来た。加藤先生、なんで出来ないの〜〜?」
「ワハハハハ・・・・」
「賑やかな文化祭ですね。」
「若いと言う事は良いもんですな〜・・・」
大人の方の評判も上々のようす。
会場は再び、明るい華やかな雰囲気に戻っていった。

「それでは、私立青木学園高等部の有志による友情出演です。
ビ−トルズ・ナンバ−のメドレ−で、『ヘルプ』『カム・トゥゲザ−』
『イエロ−・サブマリン』『レット・イット・ビ−』『イエスタデイ』
『オブ・ラ・ディ,オブ・ラ・ダ』全6曲です。
我が校の『ファルコン』もユニットします。どうぞ〜!!」
ともえの司会も堂に入って来た。午前中の緊張がウソのようだ。
演奏が始まる。
「あいつ等、中々、やるじゃん!!」
「即席のユニットとは思えないな。」
「ビ−トルズって、もう何十年も前のもんだよな。
でも、俺達が今聴いても、新鮮だぜ・・・」
「ピ−子の声、良く響く!!。すてき!!!」
感嘆とも、応援ともとれるささやきがあちこちから湧き起こる。
親の世代では、懐かしさで一緒に歌い出す人もいる。
その頃の青春時代を思い出しているのかも知れない。
新・旧の世代が、同じ曲でそれぞれに思いを込めながら
会場に一体感が生まれてくる。

さて、友美が駆け寄った先には、友美の父と志村の父
それと、アッケが初めて出会うほっそりとした、
美しい女性が、立っていた。
「友美ちゃんっ!!大きくなって・・・」
その女性が友美を抱きしめた。
「亜矢子さん・・・かい?」
ジジィがつぶやいた。
「ご無沙汰しました。山下の小父さんは、相変わらず
お元気そうで、何よりです。」
「ワシは元気じゃが、亜矢子さん何処行っとったんじゃ?
急に居なくなって、もう何年になるかな〜?・・・」
「もう、8年になります。」
「友美のおかあさん・・??」
アッケが文字通りアッケにとられて友美の顔と亜矢子の顔を
交互にみつめている。
「正確には、友美の死んだお母さん『亜希子』の
双子の妹なの。だから、叔母なの。」
亜矢子が答える。友美を産んだ後、身体が弱って入院ばかり
していた『亜希子』の代わりに、亜矢子は友美を実の娘以上に
可愛がっていた。幼い友美にとっては、どちらも同じ
「おかあさん」だったのだ・・・・
「詳しい話は、店に帰ってゆっくり落ち着いてしよう。
ステ−ジも盛りあがってる。聴き応えあるぞ。」
友美の父の提案で、話は、マスタ−の店でと言う事になった。

ビ−トルズ・メドレ−が終了した。
「お前等、よかったぞ〜!!」
「カッコ良かったわよ〜!!」
「来年も来いよな〜!!」
あちこちから、拍手と声援を浴びて、テレながらステ−ジを
降りていく 元・不良っぽい生徒達・・・・
「明日、絶対、俺ン家来いよ!!!」
念を押す志村。
「いよいよ、最後になりました。『ファルコン』オリジナル曲の
演奏です。メンバ−は改めて紹介するまでも無く、薔薇高校の
『有名人』たちです。」
「オイ、オイ。そりゃ無いぜ。ともえ!!!。」
「イイゾ〜!!マドンナ!!!」
ヤジが飛び出す。
ロメオの詩「最後の文化祭」に海人が曲をつけて自分で歌った。
海人にも「好きだけど告白出来ない」下級生がいるらしい。
あれだけ、モテモテのくせに・・・・
「あの娘」は志村がアレンジして、ノリノリで歌い上げた。
(志村は、廻りを明るくする天才だ!!)
密かに心の中で思う春樹だった。
フィナ−レ。ピ−子が歌う「doll」春樹のアレンジで
ピ−子の声質に合う奥の深いバラ−ド曲になっていた。
小柄で、コケティッシュなピ−子の身体の何処から
あんなパワフルで、情熱的な声が出てくるのか??
聴いている全員にそう思わせる、ピ−子の大熱唱で、
無事、文化祭は幕を閉じた。


麦畑(文化祭・午後その1) 投稿者:LUNA  投稿日:10月19日(金)22時07分26秒
お昼ご飯も食べなきゃ!!展示室も見なくちゃ!!
ワ〜ッ忙しい!!!交代で、交代で!!!!!
一部に不安?を残した新之助のヤキソバも好評のうち売りきれ!!
「あ〜疲れた・・・俺の飯は?・・・」
「シ〜〜〜〜ン」
「俺の飯は-----!!!!」
憐れ、新之助、パンとコ−ヒ−牛乳で昼ご飯・・・・

やがて午後2時が近づく。三々五々野外ステ−ジのある
芝生広場に集まる人の群れ。
「飛び入りの方は、申し込み順になりますので、スタンバイ
よろしくお願いします。」
ともえの司会で、いよいよ午後のステ−ジ再開。
コント有り、漫才有り、カラオケはモチロンの事、
ハモネプに負けないアカペラグル−プ有り、で
薔薇高校生もご家族も中々芸達者揃い。ヤンヤの喝采で
野外ステ−ジは笑いと感動の渦。
「飛び入り最後は、1年C組の山下明美さんの『剣舞』
『謡』は同じクラスの大山友美さん『尺八』は山下さんの
お爺様山下勝利さんです。盛大な拍手でお迎えください。」

「おい、大山友美って、あんなに美人だったか〜?」
「確か眼鏡をかけて、背中を丸めてるような、目立たない子
だったよな〜」
「コンタクトに替えたんですって!!スタイル抜群!!」
「足が長くて、袴が良く似合ってるわ。」
「ステキ・・・・」
会場から溜め息がもれる。
アッケの凛々しい舞い、心に染み入るジジィの尺八、
マイクがなくても町なかまで届きそうな友美の豊かな声量と
澄んだ声。“大成功”割れるような拍手!!
深ぶかと礼をして、ステ−ジを降りようとした友美の眼の端に
飛び込んできた顔。思わず叫び走り出す友美。
「おかあさん?!!」「えっ?」慌てて追いかけるジジィとアッケ

と、その時、バォンバォンという大きな音を立ててバイクが
飛び込んできた。例の4人組とその子分達だ。
「俺達も飛び入りさせてくれよ〜!!」
大きな声で、リ−ダ−格の一人が叫んだ。
「飛び入りは昨日で締め切らせていただきましたので・・・・」
ざわめく客席、止めようとする教師達。
一瞬、会場が不穏な空気に包まれようとしていた。

ともえが持っていたマイクを突然志村が取り上げた。
「ここは、俺に任せろ。いいからともえは後ろに下がってろ。
ようこそ、薔薇高校の文化祭へおいで下さいました。
青木高校の田原君、大島君、中野君、山村君・・・」
突然、本名を呼ばれたグル−プは、顔を見合わせた。
「あいつ、何故俺達の事知ってんだ?」
「誰だ、あいつは???」
「お前等、この前は、神社の境内で春樹一人にやられたろ!!
今日は、春樹の師匠もお出ましだ。柔道部の坂東もいるんだ。
力じゃかないっこないぜ!!!。
俺はお前等が良く来る志村モ−タ−スの息子、健太郎だ。
お前等の話、2階の俺の部屋に良く聞こえてんだぜ。」
オット、もう一つ、この皮ジャンに見覚え無いか?」
「アッ、あれは、謎のライダ−『はやぶさ』の・・・・
『志村モ−タ−スのおっさんの息子かよう〜。」
「俺、憧れてるんだ・・・・」
急におとなしくなったグル−プ。志村が続ける。
「お前等、バイク好きか?」
「モチロンッスよ。」
「俺らにも、テク教えてくださいよ。
風のように走る、華麗なテクニックを・・・・」
「いいぜ。今度、一緒に走ろうぜ。その前に
バイクは繊細なものなんだ。耳、目、五感研ぎ澄まして、
身体中でバイクの声を聞きながら、走るものなんだ。
それを、マフラ−(消音器)取って、おかしなフォ−ン
鳴らしてるようじゃ、バイクの声が聞こえるわけないだろうが!
ダサイ特攻服もやめるんだな。走りの邪魔になるだけだ。
バイクは生身で乗るもんだ。しっかりした、動き安い丈夫な
服で身をかためるんだぞ。メットも忘れずにな!!!」
「ハイ、分かりました。」
「お〜い、親父居るか〜?明日、マフラ−の取り付けと
フルヘルメットも8個注文だ〜!!」
「イヨッ!!商売人!!!」
後ろからバルタンが茶々を入れたので会場は大笑い。





麦畑(文化祭・午前の部) 投稿者:LUNA  投稿日:10月18日(木)17時37分44秒
いよいよ 文化祭の当日です。
天気予報通り 雲一つ無い 快晴です。
 夕べ、遅くまで準備した帰り道 満天にきらめく星達。
 「あっ、北斗七星 見っけ!!」
 「じゃぁ、あれが北極星だ!!」
 「カシオペア座のW文字も見えるわ!!」
 「昔はきっと、星が降るようにみえたんだろうな〜・・・」
 「ロマンチックだわ〜・・・」
 「お前にロマンチックは似合わね〜よ!」
 賑やかな生徒達。
 最近 この町も人口が増え、高いビルもいくつも
 建てられましたが、小高い丘の上にある薔薇高校からは、
 町じゅうが見渡せて、少し肌寒くなった風が、興奮した
 生徒たちのほおを やさしくなでて行きます。
 元気な生徒達の足音と会話に、一瞬虫の声が、ピタリと
 止まります。生徒達が通りすぎると、また、一斉に
 鳴き始めました。
 「明日は、絶対 良い天気よね〜!!」
 明るい生徒達の弾んだ声が明日の文化祭の成功を
 約束しているかのようでした。

朝の校門では、大勢の人でごった返しています。
先生方がハンドマイクを持って、
「お車でいらした方は、第2グラウンドに停めてください!!!」
と、車の誘導に懸命です。受け付けでは、
「恐れ入りますが、本校の生徒以外のお客様は、お名前を
ご記入ください。ご協力よろしくお願いします。」
(やはり、例の事件以来、一応公立高校なので、致し方ありません)

「こちらが、校内の見取り図で〜す。」
「アンケ−トにも、ご協力お願いしま〜す。」
 1年生が主に担当していますが、声がかれそうです。

校舎の屋上からは、大きな垂れ幕が下げられています。
『薔薇高校・文化祭にようこそ!!』
メインテ−マは、紅白の紙の花で丸く縁取りされた中央に
大きく『わ』と書かれています。
美術部と書道部の合作です。

体育館では、午前中、恒例の催しがあります。
先ずは、これから・・・

午前9時になりました。総合司会のともえがマイクを持って
中央に現れました。
「皆様、おはようございます。本日は、私達薔薇高校の
文化祭にようこそおいでくださいました。有難うございます。
この日の為に私達、一生懸命練習してまいりました。
最後まで、ご観覧ください。
午後2時からは、グラウンドに野外ステ−ジを設けましたので、
飛び入りの方、バンド「ファルコン」の演奏は、そちらで
行います。また、美術室では『夢見る人形展』、化学室では、
『不思議・楽しい・化学展』、調理室Aでは、『紅茶と
手作りお菓子の世界』、調理室Bでは、ヤキソバ、たこ焼き、
ピザなどの、軽食をご用意しました。
校舎中央の芝生では、茶道部が『野点(のだて)』をして
おりますので、どうぞお立ち寄りください。
 では、お待たせしました。準備が整ったようですので、
プログラム1番、ブラスバンド部による演奏です。
ブラスバンド部は、今年のコンク−ル全国大会で惜しくも
優勝は逃しましたが、第3位に輝きました。
指揮は、顧問の大橋先生です。」
 
ブラスバンド部の演奏は、ドリカムの「うれしい!たのしい!
大好き!」に始まって、ヨハン・シュトラウスの「美しく青き
ドナウ」で終わる 素晴らしい演奏でした。

 (楽屋裏)
   ともえ・・「ねぇ、挨拶あれでよかったかなぁ〜・・・」
   春樹・・・「立派だったよ」
   アッケ・・「グ−ッ!!ともえ姉ちゃん、司会上手いよ。」
   ともえ・・「足が、ガタガタよ。絶対心臓に悪いわ。」
   真美・・・「ともえ、頑張って!!」
   ともえ・・「アッ、真美先輩、来てくださったんですね
         嬉しい!!」
   真美・・・「当たり前じゃないの!!ブラスバンドの演奏
         そろそろ、終わるよ。」

慌てて、舞台のそでにスタンバイするともえ。
会場は、割れんばかりの拍手!!!
「次は、プログラム2番、文芸部、浅井さんの
自作による詩の朗読です。最後に演劇部の岩崎君から
贈られた、『最後の文化祭』も披露させて頂きます。
それでは、浅井さん、お願いします。」

静かに、良く響く声で詠いあげられてゆく『詩』の数々。
若さゆえの悩み、喜び、感動・・・
会場は 水を打ったような静けさ・・・
「最後の文化祭」を読み終わった時は、万来の拍手!!
ホッとした顔で舞台から下りてくるサイア。
ともえと、しっかり握手!!眼と眼で交わす会話。

コ−ラス部の合唱の後、今日の午前の部の目玉!!
演劇部の『ハムレット』(『リア王』と言う案も
あったのですが、夢朗君が「老け役」が似合わないので
「ハムレット」に変更しました。これが、大成功!!) 
5回のカ−テンコ−ルの後、やっと、午前のプログラムは
大盛況のうちに幕を閉じました。

午後からは、いよいよ例の不良グル−プも登場します。
さて、どうなります事やら?????


麦畑(総練習) 投稿者:薔薇  投稿日:10月16日(火)21時39分37秒

  今夜は文化祭の総練習、と言っても此処はお寺の本堂・・・
  アッケと友美の飛び入りの総練習!飛び入りの締め切りは
  今日までなので、昼に申し込んだ!
  もう後には引けない!
  ジジィが張り切って、衣装を探してきて今お坊の奥様が
  着付けをしてくれたとこだ。

  友美は長い髪に白の大きなリボンをつけ。大きなエンジ色の
  矢絣に紺の袴!編み上げの半ブーツと言う、ジジィに言わせると
  明治のお嬢!スタイルだそうだ! すらりと背が高く細身の知美は
  トテモ16歳には見えない程型に嵌ってる。それに薄化粧がうっとり
  するほど綺麗!
  アッケは、白の絣の着物に 白いたすきをキリリと締めて、縞の
  袴を付け!髪は上に持ち上げて、額には白虎隊の鉢巻を〆た!
  腰には刀をしっかりと差す、背の余り高くないアッケは
  チビ玉になってしまった!
 
  奥様はやんやと拍手して、はやし立てる。

  ジジィが 尺八を吹くと言う!

  「いいか〜 足で歩くんじゃないぞ!腰で歩くんじぁ〜」
  何度も、何度も叱られた!
  アッケは、
  「こんな恥ずかしいこと、しない!」と
  抵抗したが、乗りまくりのジジィに押し切られた!
  「ま 育てのジジィ孝行と、思ってやりんしゃい!」と
  お坊にまで言われる始末

  いやいや始めた剣舞だったが、ジジイの真剣な指導!
  どうしても、出来ない所作に 悔しさが入り乱れ
  思い切り身体を動かしているうち・・・
  アッケもドンドン引き込まれていった!

  何時しか、春樹への淡い思いも・・・
  身の回りに起きるわずらわしい出来事も・・・
  忘れて・・・
  いつか!夢中になって剣を振り回す毎日になった。
  いよいよ 今日で練習が終わる。
  「アッケ、よく頑張った! 」
  ジジィが 初めて褒めてくれた。
  思わず涙ぐんでしまった!
  こんな充実した毎日は初めてだった!
  
  ジジィの吹く尺八が 朗々と寺の本堂を震わした!
  すると 友美の声量のある声が、・・・
  アッケは身を引き締めて、一歩足を踏み出した!

  薔薇高校「文化祭」それぞれの思いを胸に・・
  明日はいよいよ初日!

  お寺の裏山に 秋の月がぽっかりと浮かんで、
  朗々とこだまする尺八の音、
  親無しの二人の少女、
  この想い出は・・・
  何時までも忘れない「青春の証」となるでしょう。

  

文化祭前夜(その2) 投稿者:LUNA  投稿日:10月15日(月)15時20分21秒
原稿が長すぎて、入力できませんでしたので、続きです。

大山 友美・・薔薇高校1年・喫茶店&スナックのマスタ−の
       一人娘。母は友美が5歳の時に病死。
       おとなしく目立たない少女だったが
       文化祭の前に、不良4人組が店の中で悪い相談を
       しているのを聞いて 同じクラスのアッケに
       話しをしてから、意気投合して、親友になった。
大山 康輝・・友美の父・喫茶店&スナックのマスタ−。
       志村の父親の親友。
       駆け出しライダ−や不良っぽい生徒にも分け隔てなく
       接するので、若者に人気がある。
       20歳未満には、絶対、タバコもアルコ−ルも
       出さない。ツッパリ坊やに飲ませるのは、ウ−ロン茶
       か、ノンアルコ−ルのビ−ルに限っていた。
       8時からスナックになるが、スナックの客でさえ
       車で来ていたら、アルコ−ル類は、飲ませないし、
       飲んだら、迎えを頼むか、強制的にタクシ−で帰すので、
       町中の奥様方や、親達の評判は良い。
季藤 夢美・・薔薇高校2年、美術部の次期部長。
       今度の文化祭は春樹が忙しいので、出展をすべて
       任されている。「人形展」の準備に没頭している。
浅井由布子・・薔薇高校2年。文芸部の次期部長。
       夢美と同じく部長のともえが忙しくて手が廻ら
       ないので、文芸部恒例の「詩の朗読」は
       彼女がする事になった。詩が上手なので、
       自作の詩を発表する。
加藤先生・・・薔薇高校3年団の学年主任・生徒指導を兼ねる。
       口はうるさいが、遅くまで残って準備している
       生徒達が全員下校するまで学校に残っている
       生徒思いの教師である。
       柔道部の顧問もしている。
岩崎 夢朗・・薔薇高校3年・演劇部部長。
       去年、シェ−クスピアの「ロミオとジュリエット」
       のロミオを演じて喝采を受ける。
       位後、「ROMEO」(ロメオ)と呼ばれている。
       詩を書くのも得意。
堀井 樹理・・薔薇高校3年、去年の「ジュリエット」役。
       今年はロメオと「リア王」に挑戦。
       遠くまで良く通る綺麗な声の持ち主。
山辺 美香・・薔薇高校2年・お菓子作りの天才?
       彼女の作るお菓子はどれもとても美味しい!!
井上 亜美・・美香と同じクラス・紅茶に詳しい。
       クラス全員で、明日の文化祭では、
       手作りのお菓子と紅茶の喫茶店を開く。
       陣頭指揮を取っている。
浅野新之助・・春樹と同じクラス、忙しい春樹に代わって
       クラスの模擬店を任された。ヤキソバ担当。
      「食えるのか?」・・クラスメイトに密かに
       不安がられている・・・・

など、など・・・
紹介しきれませんが、明日は、待ちに待った「文化祭」!!
それぞれ、期待と不安で胸を一杯にしながら
夜遅くまで準備に怠りない薔薇高校の生徒達でした。    

文化祭前夜(その1) 投稿者:LUNA  投稿日:10月15日(月)14時11分41秒
今日は、文化祭前夜。天気予報では、明日は快晴だとか。
ここで、登場人物のプロフィ−ルを簡単に紹介しながら、文化祭の
出し物などの紹介もさせて頂こうと思います。

佐々木ともえ・・薔薇高校3年生。中学2年生のとき、都会から
       転校して来て、今ではこの町に解け込んでいる。 
       文芸部部長(分化部の部長は全員文化祭実行委員)
       今度の文化祭では、ステ−ジの総合司会を担当する。
       ずっと春樹の事を想っているが、口にした事は無い。
新藤 春樹・・薔薇高校3年・生徒会長兼文化祭実行委員長
       美術部部長・学級委員長
       特技**人物画・剣道3段 
       ともえが転校してきて以来ともえの事が
       好きだが、口に出して言えない。
       バンドで、キ−ボ−ドを担当する事になっている。
山下 明美・・薔薇高校1年・明るく気取らない性格でみんなに
       アッケと呼ばれて、可愛がられている。
       祖父と二人暮し。春樹の事をハル兄ちゃんとよんで
       慕っている。
山下 勝利・・アッケの祖父・山下商店を開いてアッケを育てている。
       皆から、ジジィと呼ばれるのが気に入らない。
       まだまだ、75歳、これでももてるんだ〜と言いたい!!
       剣道の達人で、春樹に剣道を教えた。
       アッケの反抗期に少々悩んでいる。
志村健太郎・・薔薇高校3年・文化祭に出演するバンド
      「ファルコン」のリ−ダ−
       ギタ−の腕前はプロ級・ボ−カル、作曲、アレンジ担当
      「健太郎」なんて名前が良すぎる。といって、
       だれも、健太郎とは呼んでくれない。「志村」と、
       気安く呼ばれている。
       ともえが転校して来た時 よくいじめてたが、
       春樹にこてっぱんにやられて以来、春樹とも
       仲良くなった。(志村も密かにともえが好きだったのだ)
       一見、ツッパリっぽい言葉使いや態度、格好で
       誤解されやすいが、サッパリした気性で正義感も強い。
       志村が、若いライダ−みんなの憧れの走り屋「隼」だと
       いう事を知っている者は少ない。
       志村は独りで走るのが好きだったし、テクニックを自慢
       したりするような事は決して無かった。 
志村 健吾・・志村の父・志村モ−タ−スの社長。
       しばらく、都会の大手自動車販売会社で営業マン
       として働いていたが、父親の急病でこの町にもどって、
       志村モ−タ−スを継いだ。健太郎が小学校3年生になる
       春のことだった。
       若い頃は、喫茶店&スナックのマスタ−と共に
      「健・康」コンビなどと言って、仲良くツ−リング
       した。現在この町の議員もしている。
佐藤 海人・・薔薇高校3年・ベ−スギタ−担当・
       本来は、バスケット部のキャプテン。薔薇高校の女子生徒の
       憧れの的!!志村もバスケット部で仲がいい。
       この辺りの土地はほとんど海人の父のもの。
       ともえが住んでいるマンションの土地も以前は、海人の
       父親の所有地だった。現在、父親はこの町の町長をしている。
佐藤 さやか・・海人の妹・小学6年生。バルタン兄ちゃんと仲良し。
坂東 星児・・ニックネ−ム*バルタン星人。バンドのドラムス。
       海人の妹を「トマト」と呼んで可愛がってる。
       柔道部の部長。
篠塚 真美・・武蔵野美大1年・文芸部の前部長。
       美術部の部長もしていた。
       彼女の絵は、何度もコンク−ルで、入賞している。
       今も何かと ともえの相談相手になっている。
野々村こずえ・・薔薇高校1年。アッケと同じクラス。
       よくおしゃべりしてにぎやかなので、ピ−子と
       呼ばれるようになった。歌が上手。バンドのメインボ−カル。
       5年間程、ボストンで暮らしていたので、英語の発音が
       きれい。

   (その2に続きます)  
      

麦畑(親友) 投稿者:薔薇  投稿日:10月14日(日)13時42分43秒

アッケと知美もは環境が似ている分、今までは意識して近ずか無いでいた
のかも知れない。
両親のいないアッケ、母親のいない知美、あの事件以来急速に親しくなって
この頃は 二人の家を行ったり来たりするょうに成った!
今日も、アッケの部屋でジジィの目を盗んで持ってきた菓子パンを
かじりながら、寝っ転がって漫画を読んでいた。
「こら! また 店から持ち出して!きちんと言って持っていけと
いつも行ってるだろう!」
ジジィが 怒鳴りながら入ってきた。でも 顔は全然怒ってない!
二人の様子を見に来たらしい。
「あ こんにちわ!スミマセン ご馳走になってます」
ぺこりと頭を下げる知美に
「いや〜 一応言うだけだから きにしなさんな!」
「ジジィ 出てってよ!相談してるんだから・・」
「ほう 文化祭の相談かい?・・・もう〜あと 20日とせまったねぇ」
「・・・・・」
「二人で なんかするんかい?・・・」
どっかりと座り込んだジジィに アッケはいらいらして
「うん 二人で飛び入りの相談・・だから・・じゃま じゃま」
知美はキャトンとしてる。今までそんな話なんかしたこと無い。
アッケが眼で合図してくる。
「はい なんか 私たちもしょうと思ってるんです。おジジィ
チャン なんか良い事知りませんか・」
知美がお世辞を言うと もう すっかり 眉毛を下げて ジジィは
「おお〜 そうかい?わしは剣舞くらいしか知らんが〜!・・・」
腰のすえたジジィに辟易する二人
「・・・・・・」
「お〜そういえば 知美さん小さいときから詩吟 習っとったじゃないかねぇ?」
「あ  そ それは 父に無理やりに・・」
恥ずかしくて、知美は真っ赤になった・
おかぁさんが 芸事が好きで小さいときから 詩吟 民謡といろいろ
習わしてくれた。どんな事情からか家を出た行ったしまってが
母の好きな芸事を一生懸命やっていれば いつか おかぁさんに
逢えるような気がして 今でも欠かさず習っている。でも それは
周りの人には、内緒のことだったから ジジィにすっぱ抜かれて
知美は驚いた!!
「そうだ!!!アッケ ジジィが剣舞教えてやるわ 詩舞剣舞でもしい〜」
「・・・・」
「う〜ん コレはいい〜 う〜ん・・そうだ!お坊に頼んで場所借りるか?」
「・・・・」
いや〜 乗り乗りのジジィに はたまた悩みの増えた二人・・・・

でもアッケと知美は親友になった!!


麦畑(バ−のマスタ−の独り言) 投稿者:LUNA  投稿日:10月12日(金)17時46分08秒
ヤレヤレ、あいつ等四人組みも抜けてるな〜!
俺の娘が 薔薇高校に今年入学した事 もう忘れとる。
だから、アホ言われるんや。友美に聞かれてるんだから
薔薇高校の皆に筒抜けじゃないか。

何とか 飛び入りでって事で納得させたけど・・・
まっ、志村の息子がバンドやるってんだから 何とかなるさ。
あいつら、走り屋をきどって、暴走族まがいの事もやってるらしいけど
錦高山のヘアピン連続9カ−ブをブッチギリで走ってる
憧れのライダ−が志村の息子だと知ったら腰抜かす位驚くだろうな!!
黒のフルヘルメットで、ぶっちぎって行くんだからな〜。
あのテクニックと度胸に 追いつけるヤツなんかいるもんか。
誰もあいつの後姿しか見たこと無いからな。
あの背中に派手な刺繍の入ったジャケット意外は・・・
ライダ−の憧れになるのも無理は無い。

面白そうだから俺も志村の親父誘って 文化祭行ってみようかな?
昔、俺達もつっぱてた事あったよな〜・・・
志村はあのまま、親父のモ−タ−スを継いだが、
息子の健太郎の走りっぷりは、やっぱり親子だ。
俺も、男の子がほしかったな〜・・・

オット 友美に聞かれたら又 怒られるな。
あいつ等も 今はツッパッテルけどいい親父になるんだろうな〜
そして気づくのさ・これが、若さの特権だってことに・・・
まぁ、あいつ等が道をはずさないように見守ってやりたいね。

友美は気に入らないらしいが・・・・


麦畑(相談) 投稿者:赤影  投稿日:10月12日(金)10時35分37秒

アッケの場合

アッケはいつも教室で隅の方で、ひっそりしてる友美から
相談された!
あの、チンピラ野郎が文化祭の舞台発表に飛び入りするという!
早速・・・ハル兄ちゃんに連絡した。
「良いんじゃないか、他校生に開放する時間は決められてるし
なんたって唄なんだろう!仲良くやるさ!」
いつもの呑気な返事・・・

ジジィがまたまた 側から口を出す
「また 問題かい?」
・・・・・・・・・・
「煩いつうの」
・・・・・・・・・

アッケは何か役に立ちたいと思うけど、いつもはぐらかされてばかり。

ともえさんや春樹に、子供扱いされるのが、面白くない!!