朝の明けるのを待ちきれず
最後の絵「別離の朝」の製作に入った
北国の春の朝は澄んで心を満たす
思い切り良くカンバスの青い空に
真っ白な蝶を吹き付ける
地平線は赤
思い出の数々は血の色の赤
吹き付けのガスの匂いが心を鈍らせ想いを断ち切る
空を見上げると薄暗い空がいつのまにか明けている
北国の春は真っ盛り
紺碧の空は迷いを断ち切り抜けるように遠い
見上げる空に
カンバスに描いた白い蝶が飛んでゆく
青い空に迷い無くまっすぐに
限りなく透明に限りなく美しく
「別離の朝」はこうして幻想の中で完成した
2004.5.19 真美